個室型サウナへの改修計画
リラックスの場としてのサウナに加え、仕事とサウナでのリフレッシュがシームレスに繋がる「コワーキングサウナ」の構想が求められていました。
通常のような計画では、作業エリアと休息エリアを明確に分け、平面的にゾーニングするのが一般的ですが、今回はサウナに入りながら思考を深めたり、休憩しながらアイデアを練ったりする、仕事とサウナのグラデーショナルな関係を重視しました。
黒く塗りつぶされた壁面には黒板塗料を使用し、サウナで浮かんだアイデアを自由に書き留められるようにしています。防水性が必要な下部はグレーのタイル仕上げとし、床から720mmの高さで仕上げを切り替えました。
また、脱衣室のタイル仕上げ部分は黒い壁面から50mm引きはがされたディテールを施し、部屋の隅に微妙なずれを生み出しています。これにより空間に動きと奥行きを加えました。
その一方でサウナ室とシャワー室には大きな窓を設けており、どこにいても部屋全体を見渡せることで、空間の一体感を強調しています。
立位では体は黒い領域に属し、働くことが主な目的となります。座位になると、グレーの領域に沈み込み、休息を目的とした空間へと移行します。このように、仕上げによって装飾的に分離を強調された空間は、異なる行為が連続する場という矛盾を内包しています。一体の部屋でありながら、体の姿勢によって空間の意味が変化する、そんな独特の体験を提供する空間を目指しました。
建築名 | RAWLAW by VOREAS |
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ストーブ種類 | 電気ストーブ(HARVIA KIP8E) |
定員 | 4人 |
延床面積 | 15.35㎡ |
竣工 | 2023年3月 |
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